タイ バンコクで日系企業の進出のお手伝いをしている川島です。
12月初めから、各工業団地および金融機関、政府系機関など合計20社と面談して、現在岐路に立っているタイの2016年はどのような年になるのか、大胆予想してみた。
2015年 現在のタイへの日系企業の進出動向
2015年アセアン共同体の発足やアセアンを引っ張る立場にあるタイが今、経済の低迷や軍事政権への諸外国の圧力などにより苦境に立たされている。最近のニュースでは、失業率も他国と比べれば高くはないものの0.9%と10年ぶりの悪い数字となるようだ。
日系企業の投資申請額も今年9月には40年ぶりに首位陥落という文字が新聞に躍った。10月には首位に返り咲いたが、中国などの大型案件が入ればすぐに逆転という状態は続くと思われる。
弊社でも、6月以降製造業の進出はピタッと止まった。
これに代わり、BOI(タイ投資委員会)の税制優遇が矢継ぎ早に発表され、国際地域統括本部(IHQ)や国際貿易センター(ITC)での会社設立の動きや製造業に付随するようなサービス業から、Webデザイン会社・ロゴの開発会社・会計事務所などのサービス業での進出が目立った年だった。
また、軍政という中での経済活動の中で、お茶代(賄賂)など厳しくなっている部分とまだまだお茶代(賄賂)が通用する部分とが相まって、バランスのとり方が難しい状態が続いている。
タイ 日系金融機関が話す日系企業進出動向
ある金融機関の方が話していたことが、本当に印象に残っている。
日本よりタイへ進出を希望している企業は、税制恩典というご褒美には飛びつかないと思う。それよりも、日系企業が安心して進出をできる法整備を最も望んでいる。また、日系企業は、あれ、税制恩典だ!それ!経済特区だ!などと躍らせることなく、日本の強みを再確認し、他国との差別化がより一層大切になってくる。
私もこれには、まったくの同意で工場操業許可一つをとってみても、スムーズに事が運んでいない現状が現状がある。書類が止まっているかと思えば、お茶代(賄賂)を払うとスッと流れたり、また、工場操業許可には検査という項目があるが検査に来ないで、その後すぐに許可が下りてしまうなんてこともある。役所の担当官による裁量があり過ぎて困っているのが現状だ。
タイ国との経済関係をここまで築いてきて、育った果実を隣の大国に美味しいところだけを持っていかれたくはないものだ。
ある金融機関の方によると、タイ国内日系企業の日本人の少人化が始まっているそうで、今までは、日本に駐在員の方が本帰国すると別の方が来るというのが通例だったが、次の人をよこさなくなったり、タイ人マネージャーの育成に力を入れ、日本人を減らす動きが出ているようだ。また、オートマチック化も進めており、それらに関わる業種の進出もあるようだ。
ある金融機関の方によると、撤退予備軍と言われている会社数の増加も気になるようだ。また、大きい事務所からコストダウンで小さい事務所に移る動きもあるようだ。また、今年前半、この円安の影響から膨らむ赤字補てんにより撤退を決定した企業も多い。
ただ、日本のメガバンクは違った見方もあり、タイへの進出相談案件数はあまり減少していないという。2016年は様子見の企業もあるが、タイはまた盛り返してくる可能性も示唆していた。
今年初めに新会社をタイに設立しているアイシン・エイ・ダブリュ株式会社(自動車自動変速機)が生産開始予定を2017年に予定をしている動きなども今後、中小企業の進出に影響を与えてくると思われる。私の顧客の中でも2016年は調査の年と位置づけコンタクトをしてくる企業も多い。すでに進出している企業にとっては我慢・試練の年となりそうだ。
過去のタイの経済成長率
過去のタイの経済成長率をGoogle先生に聞いてみた。
どうでしょうか。ガンと落ちた後のこの跳ねっかえり、見事だ。
この跳ねっかえりに乗り遅れることのないよう準備しておく必要はありそうだ。と期待を込めたい。
タイの一ファンとしては、中所得国の罠から脱出をしてほしいと切に願う。
strong together...
今日は、このへんで。サワディクラップ!
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